今回の文献
伊藤 皇一, 中川 賀嗣, 池田 学, 山田 典史, 橋本 衛と田辺 敬貴. 「語義失語における語の意味カテゴリー特異性障害」. 失語症研究 14, no. 4 (1994年): 221–29. https://doi.org/10.2496/apr.14.221.
要点
語義失語とは
- 固有名詞や具体語に顕著に認められる語義の障害
- 語の辞書的意味の障害
- 仮名操作は保たれる一方、漢字操作が苦手
- 記憶的側面からは、語の意味記憶障害とも言える
報告されていたのは、葉性萎縮とヘルペス脳炎例で、症状の進行にかかわらず色と身体部位カテゴリーの理解・呼称が良好だった。
これらの語の概念系・媒介系は、左側頭葉前方から中間部にかけての領域とは、異なる部位に存在すると推測されていた。
色彩失名辞は、左後大脳動脈領域が責任領域かも。
色の媒介系は左舌状回側頭葉部が責任領域かも。
身体部位は、左頭頂葉が責任領域かも。
身体部位失認については、視床-頭頂葉が重要視。
パパはこう思う
確かに自験例でも、ヘルペス脳炎後遺症での失語症・高次脳機能障害では、上述の臨床像になることが多い気がします。
まずは、機能障害の程度を評価し改善を試みますが、保存ルートがあるのであれば、やはりそれも活用すべきだと思うのです。
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